日本全体が平均でフェーズ3の初期であるということは、再び、フェーズ3,4を経験し直すということで、グローバル人材開発にも大きな影響が出てくる時期ということができる。なぜなら、フェーズ3にいたって初めて海外事業は、特別なことでなく普通のことに転化していくからである。今後、日本全体で発生する課題は、以下のようなことと想像できる。
1 組織的には、地域に対し会社を代表したり、子会社の活動を支援したりする、地域本社機能を持つ会社が必要になり、そのための専門スタッフの充実が必要になってくる。そのため、優秀なローカルスタッフの採用を可能にする処遇制度の導入や優秀なローカルスタッフと対等にわたりあえる日本人スタッフの育成が課題の一つになってくる。
2 海外の工場から日本向けだけでなく近隣の地域に製品輸出がおこなわれるので子会社の海外事業要員の充実が必要になる。(例えば、海外子会社の日本駐在事務所や営業所、○○アジアのタイ子会社など、親会社から見ると孫会社にあたる海外子会社の要員)海外子会社における人材育成の仕組みの構築がテーマとなる。
3 日本国内の生産拠点の整理統合と人員の再配置が必要になる。
などがそれである。
日本全体はフェーズ3にあるとして、個別の産業や企業はそれぞれのフェーズの問題解決に取り組まなければならないが、たとえば自動車産業は、どのあたりのフェーズにあるのであろうか、具体的な人材開発を考える上で、次回は、その辺りを検討してみよう。