組織の境目をどこにするかを考える際、仕事の相互依存性のほかにも考えなければいけないことがある。それは、ルーティン(routine)通常の意思決定プロセス(会社の進む方向を左右するような大きな意思決定ではなく、日常的に繰り返しおこなわれる意思決定のこと) がどのようになっているかである。
ルーティンとは具体的には、それぞれの担当部署が、自分の仕事をうまく機能させるためには、前工程からどのような情報を入手し、後工程にどのような情報を伝達すればよいかについて試行錯誤した結果、次第に固まってきた仕事のやり方である。
意思決定の方式も、メンバーによる多数決、上位の職位にある人(例えば、課長)が決める、専門性により(この件はこの部署で)決めるなど、徐々に決まってくる。繰り返しおこなわれたことにより、意思決定の標準化が進み、担当部署間のインターフェースが明確になってくれば、組織をどこで区分したらよいかはおのずと明らかになってくると考えられる。
しかし、外部環境が変化すれば、仕事の仕方は変化する。それに応じて、相互依存性もルーティンも変化せざるをえないので、組織を考える人は、常にこの二つに注意をはらわなければならない。