21世紀型人材マネジメントを考える際の手掛かりの二番目は、「正しい答えは一つしかないのか、それとも状況によりいろいろある、と考えるのか」という設問に対する答えだが、グローバルな競争という環境下では、複雑性に対処しなければならないという視点から考えると、基本(プラットフォーム)と応用(機能デバイス)という形になると思われる。ではHRMのどの部分を世界共通のプラットフォームとすべきなのであろうか。この問題に答える前に、世界中に統治制度を広げるケースという意味で、帝国主義について観察するのが良いと思う。
帝国主義の一つのタイプは、自国の方式を植民地にも同じように適用するという方式。宗教や政治制度など自国のものを持ち込み、それ以外のものは認めないというやりかたである。これに対して、これだけ守ればあとはその地域のやりかたでよいとする方式。統治される側からみると自由度が高いほうがよいのだが、統治する側から見ると自国の制度と同じ部分が多い方が、仕事はやりやすいということになる。