このコラムではこれまで、リーダーシップとは、「何かを変えるときに必要なもの」と定義してきたが、どうしてそのような結論に至ったのかについては十分には説明してこなかった。そこで、21C型HRMとリーダーシップの関係を考えるさい、この点を明らかにしていきた。
リーダーシップとは何かを考える際、「どういう時に必要なものなのか」から考える方が全体像を掴みやすい。なぜなら、だれでもリーダーシップを発揮した経験、すなわち選択したり、決めたり、変えたりした経験は持っているからだ。その経験とこれから説明する理論を照らし合わせれば、リーダーシップという複雑で多面的なコンセプトは、次第に把握できるはずである。
コラムvol.80では、リーダーシップが必要なのは、環境変化に対応するとき、戦略を実行するとき、キャリアを形成するときと、リーダーが答えを持っていない問題を解決するとき、いう例をあげた。そこで取り敢えず、リーダーシップを「1.何かを選択する、あるいは何かを決める時に必要なもの、2.何かを変える時に必要なもの」と定義して話をすすめたい。次回以降、どのようにリーダーシップについての研究が進んできたか、を見ながらリーダーシップは「変える時に必要なもの」という考えに行きついたか説明していきたい。