ミシガン大学が発見したことは、一言でいうと、好業績部門のリーダーは従業員中心で仕事については、細かいことはいわないで任せる、低業績部門のリーダーは仕事中心で細かい指示を出す、という内容だ。仕事を達成するために「もっと頑張れ」と言われた時の部下の反応は、前者の場合は肯定的、後者の場合は否定的。理解しやすい結論で、その後の研究の手掛かりとなったが、一方で「測定する」ということの難しさを明らかにした研究でもあった。
問題の一つは、「従業員中心」と「仕事中心」がプラスとマイナスのように対極になっている点である。判定の目盛が一軸なので、「仕事中心だが人間関係もよい」とか「人間関係は良いのだが仕事の効率は今一つ」といった、実際によくある現象が捉えられていない。測定に使う物差しとしては不十分ということになる。
もう一つの問題点は、データの読み方についての疑問が生まれたことである。この疑問は、後にリーダーシップについての新しい考え方に発展したので、ミシガンの研究が生み出した成果の一つと言ってよい。