議論がうまく出来ないもう一つの理由は、自分の意見を上手く表現できないことにある。キーワード依存症とでもいうべき欠点で、キーワードをあげればそれで説明した気になってしまう。実際はキーワードの理解は各人各様で、それでは抽象の階段が揃わず会話がかみ合わない。コミュニケーション力とか半断力という言葉は、リーダーシップという言葉と同様いろいろな意味があり、「コミュニケーション力を高めなければいけない」という答えを出しても、何をすべきかは、さっぱり分からないのだ。
議論すべきは、なぜコミュニケーション力を高めなければいけないかだが、それが「情報の共有化」のために、などという別なキーワードで説明され理解した気になって、合意してしまうと、何が問題なのか、どう対策すべきかが見えてこない。議論が問題解決に繋がらない。グループ討議は練習だが実際の現場でも起こっていると推察される。これが、議論が出来ないことの本当の問題点なのだ。
キーワード依存症になるのは普段、文章を読む場合、AだからB,というロジックを読まずに、キーワードだけをピックアップして読んだ気になっているからで、3DLAのセミナーでも本を読んでもらって感想文をだしてもらうという事前課題を出すが、最近は感想文の内容が乏しいケースが多い。そんなこと言ってないけどとか、So What 、だからどうなんだとか言いたくなってしまう。