変わらなければいけないという危機感は、現状に対する不満が大きくなければ、生まれない。問題が先送りされるのは、まだ何とかなると考えているためで、現状に対する不満が十分に大きくないのだ。だが、変化するためには、不満の大きさだけでなく何が不満なのかについて組織全体の意見の一致が必要である。「あなたの会社の問題点はなんですか」という質問に、取締役会のメンバーの意見がばらばら、というのは良く見かける風景である。営業力か、新製品開発力か、原価低減能力なのか、それとも資金繰りかで対策は異なり、変えるべきものは変わってくるからである。
いろいろ不満なものはあっても、会社として最も優先的に取り組む必要があるのはどれか、という順序付けが出来なければ、話は進まない。とくに環境変化が大きく、お客さんのニーズが変化してしまった場合など、従来のやり方全てを見直す必要が出てきてしまう。お客軸基準を変えなければいけないだけでなく、このくらいの速さで新製品を市場に投入出来ればよいという時間軸を変える必要もでてくる。