効力感基準は、これまでに蓄積された経験から生まれた「頑張ればこの程度のことはできる」と感じる水準のことである。これは自分の力量である時間軸基準にも顧客基準にも関係するが、要は、実行できるかどうかの判定に使われる感覚である。実行できるかどうかは、一つは、自分が現在持っている能力を転換する能力で決まる。「こういう分野の製品は開発したことがないが、これまでの経験を活かせば6か月もあれば何とか作れるようになる」といった自信がそれである。
もう一つは、自分の持っている資源の再配置能力である。「足りない技術分野の人材を補強し、不要となった人材を整理する」といった作業を所定の時間内に出来るかどうかである。時間がかかり過ぎれば、チャンスを失ってしまうかもしれない。