海外事業が広がり、地域本社を欧・米・アジアの3か所に持つようになった企業の場合は、マネジメントも複雑になりビジネス環境も不安定になるので、不確実性は最も高い。グローバルな市場に対応するので国の内外という区分は意味が薄くなる。しかし、企業の母国文化がオペレーションのスタイルに影響を及ぼすのは避けがたく、従業員の間に文化の違いによるコンフリクトは発生する。家電や半導体で経験したように、事業分野によっては撤退も視野に入ってくる。本当の意味でのグローバル企業は、理論上だけで実際には存在しない。
不確実性のレベルを、マネジメントの複雑性とビジネス環境の不安定性の二つの軸で評価すると4つに区分することができる。求められる人材も施策もこの区分によって異なることは当然である。自分の事業の不確実性のレベルを把握すべき理由がここにある。