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コーヒーブレーク(65)

 
新チームビルディングの技術VII「先頭に立たないリーダーシップ」という考え方

皆の知恵を集めなければならない。

  改訂版チームビルディングのベースには、複雑性が高いという環境に素早く適応するにはどう行動すべきか、という問題意識がある。複雑性が高いと、変化の方向を予測するのが難しい。よって、リーダーは答えを持っていない、あるいは、持っていたとしても予測はあたらない。自分の考が正しいとして進むべき方向を決めて皆をリードしても、結果は思わしくないというケースが起こりがちである。指揮命令型では上手くいかないのだ。
  予測が難しい場合は、皆の知恵を集めて、「撃て、狙え」方式で進み、経験から学習したことにより方向修正を行うのが正しい。先頭に立つのではなく、皆の知恵を集めることが第一で、そのためには実のある議論が行えるよう、議論の結果を行動に反映できるよう、いろいろ配慮しなければならない。

 

先頭に立たないリーダーシップの起源

  指揮命令型でないリーダーシップ理論が生まれた理由は、時代の関心が、「資本主義と社会主義のどちらの体制が効率的か」というものから、アメリカ、ドイツ、日本などの「同じ資本主義国の間の競争に勝つには何が必要か」に移ったことにある。そのため、リーダーシップに求められる特性も「効率向上のために必要なもの」から「競争に勝つために現状を変革するのに必要なもの」に代わっていった。同じ時代的背景は、戦略論にも影響を与えた。「事前によく計画を立てることによって効率をあげて勝つ」から、「事前の計画もさることながら、事後の対応が勝敗を左右する」という考え方に変化している。どちらも変化に対する反応に関心が動いている。  効率をあげるために研究の対象となったのは、現場の第一線監督者だが、現状を大きく変えるには、より大きい責任権限を有する人を対象とせざるを得ない。課長、部長、経営者などの人々の行動様式はどうあるべきか、を追及しなければならない。

 

「変える」に注目した結果、分かったこと

  分かったのは、何かを大きく変えようとすると、皆に進むべき方向を示す大きな絵、ビジョンが必要なこと、それだけでなく、その絵がどんなに素晴らしいかを説明する伝道師がいること、ビジョンの実行をサポートする人が不可欠であることなどなどで、指揮命令型とは異なるタイプのリーダー、先頭に立たないリーダーが、必要なことが明確となった。
さらには、フォロワーを積極的に協力する気にさせる人や、組織内を広く動き回って同じような意見を持つ人のネットワークを作る人、個別の議論や行動が全体の意見と連動するよい支援する人、いわゆるチームビルディングの技術を持つ人が重要と分かったのだ。

 

一試合ごとに強くならなければならない

  物事を大きく変えることは、一朝一夕でできることではない。一歩前進二歩後退は、しばしば起こる現象である。それを乗り越えてゴールにたどり着くには、一つの試みが成功しても、失敗してもそこから学び、次の試みに生かすことが出来なければならない。一試合ごとに強くなることが必要なのだ。そのためリーダーがやらなければならないのは、一試合ごとにふりかえり、学んだこと、Ah・Haを整理する習慣の確立である。単に整理するだけでなく、それを次の行動に反映できるよう、プロセスや教育訓練計画の改善を図る事である。この点では、リーダーは先頭にたたなければならない。指揮命令型で、徹底を図らなければならない。状況によりリーダーシップの発揮の仕方を変えるsituational Leadership がもとめられるのである。

 

以上

 
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