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コーヒーブレーク(71)

 
How to change 時代のキャリア戦略A

キャリア戦略のどこを変化させるのか

  外部コンテキストの変化は、素早く変化に適応するには、企業と個人に、特徴点をはっきりさせよ、と要求している。「あなたの会社は、何がしたいのか、そのためにどういう闘い方をしたいと思っているのか」、個人には「どういう人生を歩みたいのか、そのために何をするべきと思っているのか」、と。環境変化に合わせようとしても、自分を変えるには、多大なエネルギーが必要なので、エネルギーの投入先の優先順位を決める必要がある。 だが問題は、キャリア目標は、遠くの丘の上の旗なので、通常、初めからハッキリしているのではなく、歩いているうちに徐々にハッキリしてくる、という特徴を持っている。
  将来は、「企業の経営をしてみたい」というぼんやりした目標が、大学で経営学や経済学を学ぶうちに、日本の将来を左右するのは電機産業だと考え、日立製作所や東芝、ソニーといった企業が抱える課題について研究、その結果、会計学関連のゼミを選択というように、目標が、次第に明らかになったとしよう。当然、努力すべきことや乗り越えるべき障害の内容も徐々に明確になってくる。 このことが教えるのは、「目標とその達成手段を、固定的に考えてはならない」ということだ。大切なのは、進むに従いはっきりしてきたことは何か、を常に把握する努力で、それによって目標も手段も柔軟に変更する姿勢である。

 

桃太郎はいない。

  関島の5冊目の本「改定 チームビルディングの技術」は、「現代の競争は、現在持っている資源で闘うのではなく、今後入手する資源を含めて闘うゲーム」という戦略理論(Dynamic Capability 戦略)と「先頭に立たないリーダーシップ」というリーダーシップ理論(Situational Leadership)をベースにチームワークとは何かを改めて考えたものだが、その表紙のデザインには、犬,雉,猿が描かれているが、桃太郎は描かれていない。どうやって変化に適応するかが課題の時代には、「リーダーが答えを持っているとは限らない」ということを表しているのだ。桃太郎は次第に新しい戦力を獲得していった。しかし、鬼ヶ島がどこにあるかは分からいのだ。犬、雉、猿の能力を借りなければならない。
  では、今後獲得する資源で闘うことができるためには、どういう能力を鍛えなければならないのだろうか。第一に必要なのは、目標達成のために自分に不足している能力は何かを把握できなければならない。だが、それには、幅広い専門性の種を持っていなければならない。 目標の難しさや達成手段が理解できなければならないからだ。次に必要なのは、新しくチームに加わった戦力を有効に生かせる力である。桃太郎の事例でいえば、犬、雉、猿とチームを結成する力、ビルディングの能力が不可欠なのだ。

 

多様な専門性とネットワーク

  環境変化が激しい時に生き残るのは、「強いものではなく変化に素早く適応できるもの」という原則に応える方法の一つが、チームで変化に対応するという方法で、チームのメンバーで役割分担することにより変化の速度を速める。身近な言葉で表現すれば、「相談できる人、助言してくれる友人をたくさん持ち、そのアドバイスを、役割を分担して実行する。」であろう。
  そのために必要なのが、多様な分野の専門家とのネットワークである。日頃、広い分野に関心を持ち、専門知識を持つ人とのネットワークを築く努力をしていなければならない。幅広い分野に関心を持ち、いろいろな事柄の味見の機会を見逃さず、仕入れた知識を使ってみる、などがその基本となる。 整理すると、キャリア戦略の変更ポイントは、
1、「撃て、狙え」型戦略の実行し、目標を柔軟に変更する
2、探索型のリーダーシップを鍛えることを目標に加える
3、チームビルディングの能力を高める施策を取り入れる。
となる。次回以降上記を念頭にHow to change時代の戦略について考えてみよう。

以上

 
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