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コーヒーブレーク(72)

 
How to change 時代のキャリア戦略B

撃て、狙え

  キャリア目標は、しばしば変更して良いものとは、普通、思われていない。目標に向かってまっしぐらに進んだ成功物語が沢山あるからだ。しかし、変化が激しく、予測が難しい時代には、目標も柔軟に変更しなければ良い結果は得られない。キャリア目標についても、How to change を考えておかなければならないのだ。
そもそも戦略は、体系的に計画されたものではなく、いろいろな試行錯誤の結果、偶然に発見されたり、自然発生的に創造されたりするものだ(ヘンリー・ミンツバーグ)。自己を取り巻く環境は、常に動いていて計画を立てている間にも変化してしまうから、目標やそこに至る道筋は、絶えず修正することが不可欠と受け止めるべきである。
 「戦略とは、現状からあるべき姿に到達する地図を描くこと」と定義しよう。だが、「何がやりたいのか」、「どういう人生が送りたいのか」は、人の成長と共に考え方が変わってくるので、あるべき姿も変わってきてしまう。自分についての観察を怠ると、いつの間にかキャリア目標と自分の気持ちの間にずれが生じてしまい、キャリア目標の意味が薄れるという事態が生じかねないのだ。仕事の上で、あるいは私生活の上で、何をやりたいのか、を常に「撃て、狙え」方式で確かめておく必要がある。

 

目標の変更

  「撃て、狙え」方式とは、敵が隠れていそうな藪を撃ってみる、撃ち返してくれば敵はそこにいる。撃ち返してこなければいるかいないか不明、ということが分かる。これを繰り返すことにより敵の位置を判定する方法だが、このやり方は、進むべき方向を決める時に

D
商社依存
C
グローバル競争
A
国内事業のみ
B
海外工場
海外子会社設立

応用できる。
通常、必要な人材は、ビジネスモデルと事業の発展段階で決まるが、最も重要なのは、「その仕事をするのに必要な専門性」である。そこで、グローバル競争時代の不確実性の程度と必要な人材決定要因の一つである事業の発展段階の関係を整理してみよう。
(キャリア戦略4章、図表3不確実性の4象限 参照)横軸をビジネス環境(右に行く程不安定)、縦軸をマネジメント(上に行くほど複雑)と置いて、国内事業のみA、輸出入業務が増加し海外工場、海外子会社を設けたB、輸出入業務は商社依存、海外事業は合弁(少数株主)あるいはM&A(現地側主導)という経営実態D、本格的グローバル経営Cの4象限(Aスタートで時計回りにD,C,B と区分)を考えると、発展段階はAからBあるいはD、DからB、BからCという経路が見えてくる。会社は上記の発展段階のどこに位置するかにより必要な人材を求めるので、そこで働く個人は、それに対応できる専門性を身に着ける努力が必要になる。

 

明日からサッカー

  一方で環境変化に対応するため会社は、いままで野球をしていたのに「明日からはサッカー」というような業態の変更も行う。進むべき方向は、「撃て、狙え」によって、ある日突然わかるからだ。そうなった場合従業員側の選択肢は二つしかない。よそのチームに移って野球を続けるか、サッカーに転向するかだ。ほかのチームで野球を続けられる人は、一定以上の実力の持ち主に限られる。サッカーに転向する場合は、当面の職場は確保できるが、その先は不明である。正選手にはなれないかもしれない。会社はサッカーに転向するために有力選手の採用をおこなうからだ。
 会社が突然方向転換をしたとしても従業員を裏切った訳ではなく、生き延びるためにやむを得ずとった結果であろう。不確実性が高い時代には「明日からサッカー」は起こりうる事態と考えて普段から準備しておかなければならない。次回はこの点について考えてみよう。

以上

 
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