次世代リーダーに必要な能力は、いろいろある。なかでも大切になってきたのは、チームビルディングの技術である。理由は、解決すべき問題が複雑になったからだ。職場の問題で考えてみよう。現在の職場には、正社員、派遣社員、パート、アルバイト等、いろいろな雇用形態の人がいる。これらの人々が仕事に対して抱く思いもさまざまで、将来を考えて技能を身につけようと努力している人もいれば、与えられたことだけをすればよいと考える人もいる。
これらの人々を指導する立場の人にも、自分にもう一つ自信が持てない人もいれば、子育てや介護の問題を抱えている人もいる。こういう職場構成のもとで「仕事の効率向上」を求められた場合、リーダーの仕事は従来に比べ複雑になる。組織の目標をどうやってメンバーに理解してもらうか、役割分担はどうするか、私生活と職場生活のバランスをどう保つか等など、いろいろ考えなければならない。
一方で、リーダーが答えを持っていない問題も増えてきた。例えば、「売れる洗濯機をつくれ」といわれても、答えは直ぐには分からない。水の使用量が少ない、音が静か、生地を傷めないなど、いろいろな答えがありうる。最近では廃棄する時に簡単という答えもある。答えを出すためには、使う人、売る人、作る人、廃棄する人など、いろいろな専門家の意見を聴かなければならない。