配置や人材育成にあたって人材を特定するために必要なものは、専門的能力(この場合マネジメントの能力も含めての、ポスト別専門能力を意味する)であることは、論を待たない。ビジネスモデルによって、求める専門性のタイプは異なるにしても、自分の専門分野についての自己認識がきちんとできている人を選ぶ必要がある。
英語で言うとAccountability という単語がぴったりなのだが、日本語にするとあまり適当な訳がなく、分かりにくい。要は「自分のしたことを、成功でも失敗でも、他人に明確に説明できて、結果に責任を負う」能力のことだが、概していえば専門性の自己認識のレベルが、抽象度が高い人ほど柔軟性が高いといえる。
例を挙げれば、自分をパソコンのエンジニアと考えるか、オーディオ・ビジュアル技術の専門家と考えるか、ソフトとハードの融合製品に強い技術者と考えるかの違いである。後者になるほど、適合分野は広い。変化の激しい時代は、本人が転職しなくても会社の方が転職してしまうケースがしばしばである。そういう時に仕事の変化に対応できる能力は極めて重要である。